物事の”価値”というものは違いに
あるのだということは私は折に触れて
発信してきました。
それは人についても同じです。
人と同じことをして横並びで
生きようとするなら、それだけ
大衆としての選択肢の少ない生き方を
余儀なくされます。
ここで一つ気をつけたいこととしては、
違いは”価値”になりうるけれども、
それ単独では”価値”を生み出すには至らず、
演出が必要なのだということです。
つまり、他人に対して違いを違いとして
認識してもらう作業をはさまない限り、
あなたの持つ違いは違いになりえないということです。
だから例えば、
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あなたは世界にたった一人の
かけがえのない存在で、同時に
誰からも愛されるべき存在である。
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みたいなメッセージを真に受けたりしたら、
本当に浮かばれない人生になると私は
思っています。
なにしろ、これって
自分の”個”は無条件に保証され、
認めてもらえるという発想じゃないですか。
真に受けてしまったら、
自分の殻から出られなくなりますよ。
「誰も自分のことを理解してくれやしない」
なんてこと、考えかねません。
私はこういう発想をしてしまう現象って、
深刻な現代病だと思っています。
失敗しないこと、
集団からはみ出ないこと
人に対して失礼の無いように生きること。
毎日一生懸命やっていることは
そういうことばかりなのだとしたら、
構造的に”個”なんてものを認められようが
ないじゃないですか。
こういう現代において我々の原動力となるのは、
「先の見えすぎた今のまんまじゃ、イヤだ！」
という強い思いです。
そして、あなたが自分の殻を破ることに
失敗したところで、だれも気にも留めてはくれない
という事実がその原動力を推進力に変えてくれます。
現代のように多様性が認められるようになった
時代とは、人に優しい時代というわけでもなくて、
残酷なほどに他人に対して無関心な時代なのです。
だったら、それを逆手に取りましょうよ。
我々は今、おそらく歴史上もっとも
変わったことをして失敗しても
揶揄されにくい時代に生きているのです。
岩熊権造
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