私は他の起業家とコラボして企画をしたり、
私のビジネスモデルについて解説をしたり
することがあります。
そうすると、彼らが口をそろえてこう言ってくれます。
「岩熊さんの読者さんは思考力がよく鍛えられている。」とか、
「どうやってこんなによく練られた質問や
感想を引き出せるのですか？」とか。
実際のところ、私は何もしてなくて、
強いて何かをしているのだとすれば、
「何もしないということを意識して行う」ことです。
それは簡単に言えば、
「答えを各自で考えてもらう」ということでもあるし、
「手を差し伸べない」ということでもあるし、
「心底絶望するまでじっと待つ」ということでもあります。
そして、その”無作為”を私が意識的に行うのが
非常に重要だと思っています。
例えば、
「○○しなくちゃ、お相手は見つからないんでしょうか？」
みたいなことを言うクライアントに対して、もしも
「そうですねー。でも、みんな頑張ってますから…云々」
みたいなことを言ってしまったら、私がお願いしてクライアントに
婚活してもらっていることになります。
そんなことをしてしまったら、
いつまでたってもその人はやらされ感たっぷりの、
不本意な婚活を続けることしかできなくなってしまうのです。
だから私は、
どうしてそこに抵抗感を感じるのかをまず聞きます。
そうやって、クライアント本人にどうしてそれを
忌み嫌うのかを対話しながらよくよく考えてもらうのです。
そのうえでなお、自主的にお相手を探す行動に
移ることに抵抗感があるのであれば、
無理に何かをさせません。
基本的に私は自己アピールできない人は
ひたすら弱肉強食の荒波にもまれ、
埋もれていくだけだと考えています。
でも、クライアントにとってそれが信じがたく、
「何もしなくたって、いつか誰かが私に振り向いてくれる」
という考えが頭から離れないのであれば、
その考えに当人が絶望するまでじっと待ちます。
二年かかっても、三年かかっても、
「やっぱりこのやり方では駄目でした」
と心の底から納得できるまで待つのです。
あるいは、その方法で成功を収めてしまうなら
それはそれで結構なことですし。
そんなわけで、
大事なことは全部自分で決定するしかない
ということをわかっていただくために、
あえて一切、手を差し伸べないという選択を
することもあります。
誰にだってそういう大事な決断をできると
信じていますから。
信じるがゆえに突き放すことも
あるのです。
岩熊権造
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