【生き方】ルール・マナー違反にムカつく人へ（後編）

今日の記事は前回のつづきです。
1.ルールもマナーも誰かの都合で
作られたものと知る事
どんなルールもマナーも作り手の
都合よきように、と作られた面が
多少なりともあります。
例えば会社の規定だったら会社が
得をするように、と。
乗車マナーだったら鉄道会社が
得をするように、と作られた
ものです。
例えば会社の規定でアルバイト禁止、
などというのは会社側の都合であって、
社員の立場から言えば、そういうものから
自由であった方が都合がいいわけです。
それから、乗車マナーというものは
乗客同士のトラブルを未然に防ぐために
鉄道会社が少しずつ少しずつ浸透
させてきたものです。
そういうものがない世界というのは
ある意味弱肉強食の世界であって、
強そうで偉そうで怖そうで厚かましい
客が幅を利かせやすい車内に
なるはずです。
強そうで偉そうで怖そうで厚かましい
人間にとってはそちらの方が都合が
良いはずなのですが、大人しい人
にとっては都合の悪い話です。
乗客同士のトラブルが起きると
一番困るのは鉄道会社ですから、
乗車マナーがいきわたることで
一番得をするのは鉄道会社だと
いうことになります。
このように、ルールやマナー違反
する人をムキになって指摘したり
腹を立てたりする人は、ルールの
制定側にとって非常に都合のいい
人間であるということなのです。
どんなにいいルール・マナーも
ポジショントークの側面があることが
分かってしまえば、徹底遵守しなければ
ならない、とは思いにくくなりませんか。
2.ルール・マナー違反をする人が
気になって仕方ないという事は
その人の権威をあなたが無意識の内に
認めている証拠だと知る事
例えば、あなたが、混雑した電車の中で
しきりに舌打ちをする人に腹を立てた
という場合、それはあなたの中で
その人に対する存在感の大きさを
認めているということになります。

「そんなことはない！」と思いたい
ところでしょうが、反対のケースを
考えてみればわかります。
例えば、道を歩いていて、地面を
這い回る蟻の進路妨害をしないように、
とか考えないじゃないですか。
進路妨害どころか、もしかしたら
踏んづけながら歩いているかも
知れない。いや、多分道を歩けば
何匹か踏んづけていることでしょう。
でも、私達はそのことに関して
思いをはせることすらめったに
ないのです。
つまり蟻は私達の普段の生活に
居てもいなくてもほぼ変わらない
状態なのであって、そういう存在に
対しての精神は”そもそも意識すらしない”
という状態になるのです。
そう考えると、
あなたがルール・マナー違反の人に
イライラするたびに相手の存在感を
己の中で高めているということに
気がつきます。
3.ルール・マナー違反をする人が
置かれた状況を理解しようとする事
ルールもマナーも作り手の都合に
よって作られたものなら、それを
破る人もまた、それぞれの都合を
抱えながら生きています。
そこに理解の手を伸ばしてやることで、
あなたのイライラが緩和されるのであれば
非常に有意義な事となるでしょう。
そして、人が強い負の感情を
抱くとき、その原因はほぼ怯えか
ら来ているものだと知りましょう。

例えば、
普段から社内で部下にギャンギャン
怒鳴り散らす上司はほぼ上役からの
プレッシャーに怯え切っています。
また、飲食店の店員に対してやたらに
大きな態度をとったり難癖をつけたがる人は、
その難癖と同じレベルの課題に
目下必死で取り組んでいるのです。
シーベルトを締めることを覚えたての
子供が大人のシートベルトの
締め忘れをしきりに注意するのと同じ。
人は自分が取り組んでいる課題と
同じレベルのものには強く反応する半面、
違うレベルの事象は目に入っても
意識できないのです。
そんなふうにして、
ムカつく人がどうしてそうした行動を
とるのかに注目し、どうやら
こういう事情らしいと気づいた時、
あなたは周りの状況と自分とを
俯瞰してみることが
できるようになります。
そして、それが出来るようになった時、
いままでルールやらマナーやらに
イラついていたことが
どうでもよくなってきます。
俯瞰する、とは思考が一段階抽象化
されることですが、これが起こる
ことによって今まで気になっていたことを
意識しなくなるのです。
以上のように、大切な気力をダダ
漏れさせないためにもルール・マナー違反を
する人にムカつかなくて済むような
考察を一度行ってみましょう。
ルールやマナーというのは”そもそも
その程度の重みしかない”と
思えるようになったなら、そこまで
腹が立つこともなくなるのです。
岩熊権造
　　　
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