片思いの危険性

私が会社員であった時に仲の良かった
男性の後輩Ｋ君から相談を受けたことがある。
内容は、同じ部署の女性社員Ｌ子さんに
片思いをしているが、どうするべきかというものだった。
私はＫ君とは違う部署だったので、
Ｌ子さんのことは名前を知っている程度。
Ｋ君から詳しい状況を聞くことになった。
●Ｋ君とＬ子さんは隣同士の席。
●二人は毎日仕事をしながら時折楽しく話をする。
●それとなく彼氏に関する話題を振ってみたが、
　いつも彼女の父母や弟の話しか返ってこないので、
　彼氏はいないのではないかと思う。
●三年間、ずっと思いを寄せていた。
●彼女もきっと自分と同じ気持ちでいてくれると思う。
●彼女に告白すべきだとは思うが、どうしてよいかわからず、
　思い切って私に相談した。
当時、Ｋ君は30歳を少し過ぎたくらいの年齢。
彼は仕事が出来るし、
面白おかしい豆知識をたくさん知っているし、
決して不細工でもないのだが、
いかんせん女性に対して慣れておらず、
自信がないようでもあった。
彼は、女性とうまく目を合わせられないのだ。
彼のように30代でも一度も異性と交際したことがないという人は、
実は決して珍しくない。
恋愛経験がないならば、いくら見かけが老成しているようでも
10代の少年がしてしまうような
失敗をしてもちっとも不思議ではない。
気になったところを質問することにした。
**********************
―――彼女のどんなところが好き？
「僕が冗談を言うと、とても楽しそうにコロコロ笑ってくれるところです。」
―――彼女と二人でデートしたことは？
「ないです。」
―――では、彼女と二人きりで食事したことは？
「ないです。」
―――せめて、彼女とカフェに行ったことは？
「…ないです。」
―――話をしたのは職場でだけ？
「……そうです。」
―――彼女も同じ気持ちだと思うのはどうしてかな。
「いままで自分は女性から気持ち悪いといって
避けられてばかりだったんですよ。
そんな自分と普通に話して楽しく笑って
くれるんだから、きっと好きなんだと思います。」
**********************
Ｋ君は自分で言うほど気持ち悪い人ではない。
いつもオドオドして目が泳いでいることを除けば
至って普通の人である。
しばしば自虐的に自分はキモいと言うことがあったが、
私はそれはネタで言っているのかと思っていた。
しかし、彼が自分をキモい人だという思いが
本気だということがこの時初めて分かった。
その思い込みがある故に、彼をただ普通の人として
話してくれたＬ子さんが彼に気があるのかと
思い違いしてしまったのだ。
もちろんＫ君の恋はうまくいかなかった。
ただ、今回彼を取り上げたのは、
彼のようなケースが決して
稀にみるものではないからだ。
このブログで質問をくれる方の中でも時折みられるのが、
相手もきっと同じ気持ちだと状況証拠
だけで思い込んでしまうことだ。
「優しくしてくれたから相手もきっと自分のことを好きだと思う。」
「二人とも三十代で、一年間も付き合っているから、
次の誕生日の時にはきっとプロポーズしてくれるはず」
「結婚して子供が生まれたことだし、
夫もきっとマイホームが欲しいと思っているはず」
「私は三十代の女性なのだから、
彼氏も結婚に向けて前向きに交際してくれているはず」
以上の話題がきたときに私から相談者の方へ質問したことがある。
それは、「一度でも相手の気持ちを確かめてみたことはありますか。」
という質問だ。
答えは全てノーだった。
以下のような特徴を持つ人は、こういう思い込みをしやすい傾向が強い。
●　真面目で理想が高い。
●　人見知りが激しい。
●　親や教師、上司、組織から抑制されることに慣れてしまっている。
自分の泥臭さや至らなさをつい隠す癖がついてしまい、
その結果として相手に確認することが出来ず、
相手にしてみればびっくりするほどの
思い込みをしてしまうのだ。
そうやって思い込みを続けたまま、
3年4年膠着して一歩も前進しないということもある。
大人の時間の流れは早いのだ。
これでは人生がもったいない。
踏み込むのは最初恐いことである。
振られれば傷つくし、周囲の目にもみじめな失敗者として
映ることだろうと、つい考えてしまう。
でも、それでも踏み込まなくては。
あなたの人生はあなたが作らなくては。
そして踏み込むことがスタートだということを
忘れないで頂きたい。
スタートすらしないまま悩むのは
おかしいではないか。
せめてスタートしてから悩もう！
大丈夫。あなたに乗り越えられない
試練はあなたにはやってこない。

ブログランキングに参加しています！

この記事を読んで
試練を乗り越えられそうな気がしてきた

あなたは、↓↓↓をクリック

人気ブログランキングへ

※誰にも言えず悩んでいることはないだろうか？

精一杯考えて必ずご返信いたします★