日本の労働生産性は先進国の中でも最低クラスで、
その一番の原因がバブル崩壊後、延々と
企業が倒産しないように国を挙げて
延命処置をしてきたことにある、とは
誰も言いませんが明白な事実です。
2000年代に”ソフトランディング”・”ハードランディング”
なんて言葉が流行しましたが、ソフトランディングの
ツケを払い続けているというのが日本の現状です。
どうして誰もこんなことを口にしない
のかといえば、角が立ちすぎるから
でしょうね。
潰れゆく企業はきっちり潰しておくべきだ
なんて正論を言ったらどんなバッシングを
受けるのか、計り知れません。
関わっている人が多すぎるし、
その事実を受け入れることができない人も
多いでしょう。
一時的とはいえ、
職を失うことに恐怖を覚える人が
いるのは無理からぬことですから。
労働生産性が低いということが
どういうことなのかと言えば、
労働者が怠けているのではなくて、
もうとっくに構造的に儲けが
でなくなってしまった仕事が
薄い利益と苛烈な労働環境のまま
保たれている状況なのです。
日本は人件費が高いですから、
もう国内では取り扱うのが難しくなって
しまった仕事ってたくさんあります。
それでも労働生産性の低い企業を
無理矢理に企業を延命させるとどうなるかと言えば、
むちゃくちゃ忙しいのに人員の補充ができない、
とかサービス残業当たり前、なんていう
現象がごく普通に起こるようになります。
そしてそうした現象が起こる企業が
一社単位ではなく業界全体の常識になっている
なら、その業界はほぼ間違いなく衰退の一途を
たどることになるでしょう。
こういう時代により生きやすく生きようとするなら、
そこを受け入れて過去にしがみつかないことです。
そして専門性の深化に走ろうとせず、
より思考を抽象化していくことです。
頭の抽象度の高い人はどんな仕事をしても
巧みにこなすことができるものです。
あなたがもし、仕事が忙しくて何もできない、
という負のサイクルから抜け出したかったら、
それを忘れずにいてください。
岩熊権造
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